10月もあっという間に中盤。。
こないだまで30℃とかだったのに、朝晩が半袖では肌寒く、日中も爽やかに、秋らしくなってきましたね。
上野公園の東京藝術大学前の道も、地面に銀杏がポトポトと落ちて独特の臭気を漂わせています。
だんだん夏の湿気や熱気が落ち着き出すと、盛んになってくるのが燥気です。つまり、乾燥です。
肺は外界の影響を受けやすい
肺は気管や口・鼻を経て、直接外界とつながっていることもあり、このような変化を敏感に受け取るため、「嬌臓(きょうぞう;華奢な臓器)」と言われます。
そして、中医学では特に、肺は「肺は潤を喜み、燥を悪(にく)む」と言い、乾燥が苦手とされています。それにより、身体に変調をきたした場合、燥気は「燥邪(そうじゃ)」と呼ばれ、六淫になるそうじゃ。。
ただし、今のように、まだ20℃を超える気温で乾燥している初秋と、まもなく冬になろうという晩秋では、状況が異なります。
温燥と涼燥
初秋は、まだ気温も20℃前後、湿度もそれほどカラカラではないため、温性の邪、つまり風熱邪とともに身体に侵入し「温燥(燥熱傷肺)」となります。
一方、晩秋は、気温は下がり、空気もカラカラとなり、寒性の邪、つまり風寒邪とともに侵入し「涼燥」と呼ばれます。
温燥では、肺の乾燥症状(乾咳、少粘痰、口乾・口渇、鼻腔乾燥etc)とともに、発熱や咽痛、軽いさむけなどが起こります。治法は、肺を潤しながら熱も冷ます清宣涼潤や清燥潤肺となります。
涼燥では、同様の肺の乾燥症状とともに、悪寒や頭痛、発熱といった風寒邪による症状も現れます。治法は、温めながら肺を潤す軽宣涼燥・潤肺となります。
季節や体調で変化するのが漢方です
漢方(中医学)では、これだけではなく、季節によって変化する症状に合わせて、弁証も変化し、選択する漢方薬も変わります。
1年中、ただ漫然と同じ漢方薬を出し続けるわけではないんですね。