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6月の湿度上昇

6月です。

東京の月別の湿度を見ると、6月にポーンと上がるようです。

 

湿度とは、ある気温に対して、水蒸気が空気に最大溶け込む量の何%まで溶けているかというものです。

温度が高いほど水蒸気は溶けやすいので、夏の湿度50%と冬の湿度50%は、溶けている水蒸気量に大きな差があります。

厳密にはこれを相対湿度と言います。

 

話を戻すと、5月までの湿度が60~70%台なのに対し、6月になるといきなり80%を超えてきます。

一般にこれを湿気と言いますが、漢方でも自然界のジメジメを湿気(しっき)と言います。

自然界には、風気・寒気・暑気・湿気・燥気・火気の6つの気(六気;りっき)があり、それぞれが盛衰し四季が移ろっていると考えています。

健康な人であれば、それで何も起こらないわけですが、そうではない人にとっては、体調を崩す引き金になってしまいます。

このように、身体に悪影響を及ぼすことになると、六気は、その人に邪悪なもの、つまり邪気に変わってしまうのです。

これを漢方では、「六淫(りくいん)」と言います。

六淫となると、呼び名も変わり、風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪となります。

 

この時期、湿度が急に上昇し、体調を崩す人は、湿邪にやられているのです。

 

湿邪の特徴は、

  1. 重たい、ベトベトする
  2. 下半身に症状が出やすい
  3. 胃腸の不調が起こりやすい

大きくはこの3つです。

 

濡れた服はズッシリ重く、身体にへばりついて脱ぎ着がしづらいのと同様に、身体が重だるく、皮膚病などはジュクジュクした液を伴ったりします。

また、この重たさが、下半身に行きやすく、腰から下が特に重だるかったり、足のむくみなどが起こりやすいです。

そして、漢方では、脾がジメジメを好まない臓器のために、湿度が強いと食欲不振や悪心・嘔吐、下痢など胃腸症状を引き起こします。これが夏バテの胃腸症状と言えますね。

 

このように、これからの時期の高湿度は、体調にさまざまは不調を起こす可能性があります。

予防策としては、

  • 冷たいものを過度に飲食することを控える
  • シャワーで済まさず湯船に浸かる
  • 汗をかくくらいの運動を定期的に行う
  • よく寝る

これらが大事です。