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「気」について講義をしてきました

今期で3年目になりますが、東日本瓊玉会にて中医学基礎の講師をしています。

気とは

今週は、「気について」

 

日常生活でも「気」はよく目にします。

元気、病気、根気、気のせい、気にする…

 

気の概念は古代中国の哲学から、とても広く存在しています。

風が吹いて木が揺れる、海に波が起こる、雲が流れるなどは、自然界の気の働きと考えました。

これを、医学(医術)は人体に応用し始めます。

 

血液や体液を含め、目に見える肉体を活発にして、温め、動かし、生かす目には見えないエネルギー。

これが「気」の働きだと設定しました。

気の働きが失調する

目には見えない力による生命的な機能。

これが低下すると、体内であらゆる機能が低下します。

疲れやすい、だるい、動きが緩慢、活動すると悪化するが休息すると一定回復するなどです。

これを「気虚(ききょ)」と呼びます。

代表的な漢方薬としては、六君子湯・補中益気湯などです。

さらに、気虚がどこで起こるか、気のどの働きが低下するかで、さまざまな症状が起こります。

 

また、身体を一定の体温に保つ機能が低下すれば「陽虚(ようきょ)」になります。

寒がったり、手足の冷えが顕著になります。

代表的な漢方薬は、人参湯(理中湯)・真武湯などです。

 

そして、全身をくまなく流れている気が、何らかの原因で停滞してしまうと、その部分のハリや痞え、痛みが現れます。これを「気滞(きたい)」といいます。

精神的な要因で肝でこれが起こることを「肝気鬱結(かんきうっけつ)」といいます。

代表的な漢方薬は、柴胡疏肝散・柴胡桂枝湯・逍遥散・加味逍遙散などです。

停滞した気が逆流してしまうと「気逆(きぎゃく)」となります。主に、胃や肺で起こり、胃で起こると悪心や嘔吐(胃気上逆)、肺で起こると咳や呼吸困難(肺気上逆)になります。

 

このように、気は目には見えませんが、気の機能が低下すると、さまざまなことが起こります。